今や世界のヤマハ。昔から、ギター弦も販売している。とはいえ、楽器そのものに較べると(?)弦の評価はイマイチ(通販サイトによって差異あり)。

そこで、今回取り上げるのはこの「ヤマハクラシックギター用セット弦(ナイロン弦)」。


クラシックギターに馴染みのある方は、通販サイトで・楽器店で一度は目にしたことがあるであろう、パッケージ。なんとも安心感のある雰囲気。

【ヤマハナイロン弦との出合い】

私も、ギターを始めたきっかけがクラシックギターだったため、この弦を長年使用していた時期がありました。途中、ダダリオ だったり、サバレスやオーガスチン、ハナバッハなどを使用することもありますが、それはギターとの相性や音への要求から使い分けることがほとんどです。

とはいえ、ヤマハ製のナイロン弦からは、しばらく遠ざかっていました。なぜだろう…

通販サイトのレビューの評価が低下してきているのも一理。価格があまりにも安いので、品質も…と勘違いしてしまう向きもあります。

蛇足ですが…私は生音・またはエレガット(ライン)で録音作業をすることがあり、アコースティック楽器は文字通り生音の方が良いのですが、その時の感性・気分によって「この曲はエレガット&ライン録りで」ということがあります。

ライン録りとは言っても、それでも弦の質や状態は音質に大きく影響します。そこで色々と弦を張り替えては試行錯誤しておりました。そんな中です「たまにはこの弦を試してみよう」ということで…

 【レビューに多い勘違い】

初心者の方なのか、キャリアは分かりませんが、大きな勘違いが利用者にも影響を与えているのを感じました。そこでありがちな勘違いを私なりに解説していきたいと思います。

 ・チューニングが整わない?
ナイロン弦は伸びやすく、いわゆるスチール系の弦・鉄弦に比べると、チューニングが安定しないという傾向はあります。ただ、どんな弦であれ「弾く前には必ずチェック」というのが鉄則。気温や湿度、ギターの使用頻度、保管状態によって弦の状態も変化していくので、チューニングの安定度は必ずしも弦の品質だけに問題がある訳ではありません。

・4弦が切れやすい?
他社のナイロン弦に比べると、比較的デリケートにできている感はあります。とはいえ、ナイロン弦の寿命はもっても3週間ほど。それ以降は明白に音質が落ちていきます。 もっと専門的なことを言えば、ナイロン弦が良い状態というのは数日です。レビューに時折見かける「1〜2ヶ月で切れた」というのは当然のこと。弦のせいではありません。 

・弦がすぐにサビる?
これもまた、使用後の状態(汗や手垢、気温や湿度、保管状況)に影響してきます。汚れがあるのならクロスで拭ってあげるくらいはしておきたいもの。巻き弦部(4〜6弦)の色が変わってくるのは自然な流れです。前述にもあるように3週間を目安に交換していても、後半は「色が…」と感じることはあると思います。 

以上、通販サイトのレビューで比較的多く目にする項目を私なりに解説・分析してみました。

結論から言うと、ヤマハのナイロン弦はこの価格帯(市場的に安価) で考えると、品質も高く、コスパの高い弦だと思います。

ただ、ひとつだけ気をつけておきたいのは、お店によっては弦の状態が良くないところがあります。というのは、商品の売れ行き循環がよくないと古いものが回ってくることもあり、劣化した状態のものを使用するという機会が生まれる可能性があります。これには気をつけておきたいものです。

レビューで低評価な類のものは、もしかしたら「古い商品」にあたってしまった可能性も考えられます。ともあれ、様々な弦を使用し、感じ、検証し、学ぶことで自身の要求に適ったアイテムを手に入れることができるようになるのだと思います。 


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